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珈琲とハンドピックの切っても切れない関係
普段、コーヒー豆と言われて想像するのは茶色から黒色のものですよね。
生産国で収穫・脱穀・精製・乾燥・袋詰めされ日本に輸入された状態の殆どは生豆(なままめ)と呼ばれます。
未だコーヒーらしいあの香りはせず、色も黄色から青みがかった大豆のような色味。
ここ青森でも、昔に比べれば生豆を目にする機会自体は増えたと思います。
その生豆をよくよく観察してみると、いびつで邪悪そうな面の粒を発見するかと。
それがこの業界で「
欠点豆
」と呼ばれる豆です。
以下で代表的なものを挙げましょう。
【虫喰い・カビ豆】
【発酵豆】
【貝殻豆】
【死豆】
【潰れ・割れ豆】
【石や雑穀などの異物】
特に始めの3種、虫喰い豆・カビ豆・発酵豆は味に顕著に現れます。
カップテストの際に欠点と評価されるのは主にこれら。
飲後、エグみ・後にひきずる感じを生じたならこれらが原因である可能性が高いです。
少し温度が下がって来たときに、わかりやすく飲みづらくなります。
ところがこの3種、焙煎してしまうと他の豆と見比べてほぼわからなくなってしまいます。
当店では、焙煎する前に1トレイにつき3度繰り返し検品(ハンドピック)をします。
徹底的、という言葉が似合うくらい取り除きます。
【ハンドピックの文字通り、一粒ひとつぶ手で摘みます。根気の要る作業です。】
当店で扱う豆は全て生産国が最高級と格付けした豆。
それでも少ないもので5%多いもので35%、平均して約12%弾きます。
これは取った豆の多さを自慢しているわけでも誇張しているわけでもありません。
結果としてそうなる、ということ。
【現在、半月で貯まる欠点豆の量】
当店でも消費側観点の格付けのなされたスペシャルティグレード、COE入賞、シングルオリジンの豆も取り扱っています。
いやむしろ所謂スペシャルティーグレードばかりになりましたが。。。
そしてそれらをハンドピックして欠点豆が混入しているのを確認するわけです。
生産者がせっかく高品質な豆を作ってくれても、この一手間二手間を面倒がると台無しですね。
無論、焙煎後にもまた一粒ずつ最終点検をしています。
焦げた豆や前述の死豆、その他不細工な豆はここで弾きます。
生豆をプレ、とするならばこれはアフターのハンドピック。
このアフターだけを行ってハンドピックしています、というのは乱暴な話。
それはどこでもやっているレベル。
お客様の口に入るものを自らの目で点検するのは、飲食や食品加工の基本ですね。
殊更ハンドピックのみを強調する気はさらさらありません。
いつか我々もこの作業をしなくて良いようになればとは思いつつ、今日もパチパチと豆を弾くわけです。
…補足
【ちなみに弾いた欠点豆ですが、これらもコーヒーです。無駄にはできません。
時間のある時に焙煎して、脱臭剤・芳香剤としてお客様に配布したりしています。】